高齢者はどの程度の負荷で筋トレすべきか?/先見経済8月号

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こんにちは!株式会社肉体改造研究所 代表の竹田大介です。
本日は、4月より連載させて頂いている経営者向けのビジネス誌「先見経済」8月号の記事「高齢者はどの程度の負荷で筋トレすべきか?」を、発行元の清話会様にご了承頂き、弊社ブログに転載致します。

7月号の記事「高齢者でも筋肉は増えるのか?」では、日本人高齢者を対象として3ヶ月間の筋力トレーニングを行った2本の学術論文をもとに、その方にとって適切な負荷でトレーニングが行えれば高齢者であっても筋肉量を増加させることができることが分かりました。
今回は、同じく日本人高齢者を対象とした2本の学術論文をもとに、どれくらいの負荷でトレーニングを行えば筋肉量を増加させることができるのか?について考えてみたいと思います。

『高齢者における食事のタイミングを考えた運動プログラムが筋肉量・運動機能に及ぼす影響について』
この研究では筋肉量の他に運動機能を検討するため各種体力テストを行っていますが、今回は筋肉量の結果のみご紹介致します。
【研究の目的】
6ヶ月間の食事プログラムを組み合わせた運動プログラムの実践を行い、高齢者の体力、筋肉量、運動機能にどのような影響・効果を及ぼすのかについて検証すること
【対象者】
岡山県真庭市の養護老人ホームの介護認定を受けていない後期高齢者で調査開始時、調査開始3ヶ月後、調査開始6ヶ月後の計3回の調査に参加できる24名
内9名が運動プログラムを積極的に行う運動群、その他15名が運動を行うが運動回数や運動量の少ないコントロール群
【期間】
調査開始時測定日:2012年4月24日
調査開始3ヶ月後測定日:2012年8月8日
調査開始6ヶ月後測定日:2012年12月7日
運動プログラム実施期間:2012年4月25日~2012年12月6日
【運動プログラム】
スローテンポの音楽にリズムを合わせて自体重を利用して行う筋力トレーニング、スローテンポの曲を用いて行うステップ運動
① 準備運動
② 立位ストレッチ
③ 座位太もも持ち上げ運動
④ 座位下肢引き上げ運動
⑤ スクワット運動
⑥ 立位太もも上げ
⑦ ゆっくりステップ運動
毎日午前11時ごろより約30分間実施
初期段階では①、②のみを実施し、その後徐々にトレーニング項目を増やし、調査開始3ヶ月時点で①~⑥のメニュー、その後ステップ運動が行えるよう段階的に運動量を増やしながら行った。
【筋量の測定】
株式会社フィジオン社製、生体電気インピーダンス方式体組成計Physion MDを用いて、午後2時頃測定した。
【結果】
調査開始時と調査開始3ヶ月後の結果の比較
トレーニング群:前腕、大腿、体幹、大腿四頭筋において有意に低下
コントロール群:大腿、体幹、大腿四頭筋において有意に低下
調査開始時と調査開始6ヶ月後の結果の比較
トレーニング群:前腕において有意に低下
コントロール群:どの項目にも有意な変化なし
調査開始3ヶ月後と調査開始6ヶ月後の結果の比較
トレーニング群:大腿、体幹、体大四頭筋において有意に増加、上腕において有意に低下
コントロール群:どの項目にも有意な変化なし
【考察】
調査開始時から調査開始3ヶ月にかけて、初期の段階では準備運動、立位ストレッチのみを行い、その後徐々に筋力トレーニングを増やすといった段階的にトレーニングを行ったため、運動量を十分確保できなかった可能性がある。そのため、高齢者を対象とした本運動プログラムでは、3ヶ月では筋肉量の低下を食い止めることができなかった可能性がある。
 調査開始3ヶ月から6ヶ月にかけて運動プログラムが身体に定着し、トレーニング量が多くなったことで大腿や大腿四頭筋など下肢の筋肉量の有意な増加につながったと推察される。

この研究の結果から、加齢による筋肉量の低下を食い止め、筋肉量を増加させるには運動量の確保が必要であることが読み取れます。

『超高齢女性におけるパーソナルトレーニングが筋肉量に及ぼす影響についての一事例』
 この論文は、93歳女性の3ヶ月間のパーソナルトレーニングの事例を報告した事例研究論文で、私が執筆したものです。
【パーソナルトレーニングの主な目的】
 歩行能力(階段昇降含む)の回復
【対象】
 千葉県A市在住の93歳の日本人女性1名
【測定方法】
 バイオインピーダンス法を採用し、体組成計インナースキャン50 BC305(タニタ社製)を用いて体重・体組成を測定した。
【実施したトレーニングプログラムの内容と経過】
 週1回の頻度で13回、3ヶ月間のパーソナルトレーニングを実施した。
 下肢を中心に全身の大筋群を使用した多関節エクササイズを中心に、対象者の当日の体調等に配慮しながらできる限り最大努力まで動作を反復した。
 パーソナルトレーニング開始時はエクササイズテクニックの習得に重点を置き、徐々に強度を向上させ、1セットあたりの動作の反復回数はトレーニング初心者の筋肥大に適した反復回数である8~12回で最大努力に達することを目的に漸進し、セット数はトレーニング初心者に適した1~3セット内で実施した。
 強度の調整方法は、パーソナルトレーニング実施場所が対象者の自宅でありウェイトトレーニング器具等はなかったため、徒手抵抗などを用いて行った。
【プログラム実践の成果と考察】
 体重に変化はなかったが、筋肉量が1.8kg増加し体脂肪量に減少がみられ、体組成の改善がみられた。
 初回測定時 体重47.9kg、筋肉量33.5kg、脂肪量12.5kg
 3ヶ月後測定時  体重47.9kg 筋肉量35.3kg 体脂肪量10.5kg
 初回測定が13時頃、3ヶ月後測定が18時頃であったため、バイオインピーダンス法を用いた体組成測定における体脂肪率の日内変動が測定結果に影響を及ぼしている可能性は否定できないものの、本事例ではできる限り最大努力に近い運動強度で実施したこと、パーソナルトレーニングによりエクササイズテクニックの習得と運動プログラムの定着が短期間で行えたことで3ヶ月という短期間で筋肉量を増加させることができたものと考えられる。

この研究の結果から、ご高齢の方のトレーニングでも「最大努力(もう限界!と思うまで)」を目標に高い負荷でトレーニングを行うことが必要であることが分かります。

以上の先行研究から、ご高齢の方がトレーニングを行い筋肉量を増やすのは可能ではあるが、加齢による筋肉量低下を食い止めさらに筋肉量を増やすには、高い負荷で実施することが必要だと考えられます。
 ご高齢の方が筋肉量を増やすことができる高い負荷でトレーニングを行うには、安全面に最大限配慮し、適切なエクササイズテクニックを指導できる、高齢者指導の専門家に指導を依頼することが最も安心で効果的でしょう。

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参考文献
1.前田敏康,本山貢,本山司,池田拓人.高齢者における食事のタイミングを考えた運動プログラムが筋肉量・運動機能に及ぼす影響について.和歌山大学教育学部紀要 人文科学 第67集.2017.
2.竹田大介.超高齢女性におけるパーソナルトレーニングが筋肉量に及ぼす影響についての一事例.Strength & Conditioning Jounal.25.6:14-20.2018.

高齢者はどの程度の負荷で筋トレすべきか?
《先見経済連載記事》

2018年4月号「いつまでも元気でいるための食事学

2018年5月号「強い足腰を手に入れる下半身エクササイズ

2018年6月号「加齢により衰える筋肉、残る筋肉

2018年7月号「高齢者でも筋肉は増えるのか?

2018年8月号「高齢者はどの程度の負荷で筋トレすべきか?

 

 

 

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