筋肥大のメカニズム バルクアップのしくみ/筋肉ブログ


筋力トレーニングに励む皆さんの多くは、筋肉の量を増やしたい、筋力を高めたいといった目標を持っておられると思います。

本日は、その基本となる「筋肥大」について書いてみたいと思います。

筋肥大とは?

  • 発揮できる筋力を高めて競技で活躍したいアスリート
  • 筋肉を大きくしてボディラインを整え、大会で上位入賞を狙うボディビル・ボディコンテスト系競技の選手
  • 美しい身体を手に入れたいボディメイク目的のトレーニー
  • 弱った筋肉を鍛えて日常生活を苦労なく過ごすためのリハビリテーションを行っている患者さん
  • 加齢により弱った足腰を鍛え人生の最後まで自分の脚で立って歩くための介護予防運動を行っている高齢者
  • 筋肉量を増やし基礎代謝を上げ太りにくい身体を手に入れたいダイエッター

など、様々な目的を達成するための手段として筋力トレーニングを実施されていると思います。

筋肉量を増やす、筋肉を大きくする「バルクアップ」を実現するために、筋肉のなかの繊維1本1本を成長させ太くすることを「筋肥大」といいます。

筋肥大のメカニズム

筋肉が太く成長する「筋肥大」のメカニズムを下記に解説します。

筋肥大でターゲットにする筋肉

筋肥大でターゲットにする筋肉は、骨格筋です。

人間の身体についている筋肉にも種類があり、

  • 随意筋(自分の意思で動かすことができる筋肉)
  • 不随意筋(自分の意思で動かすことができない筋肉)

に分けられます。

不随意筋には、内臓の筋肉(平滑筋)や心臓の筋肉(心筋)があり、随意筋には骨格についていて意志通り身体を動かす機能を持つ骨格筋があります。

この骨格筋を肥大させることで見た目に分かる変化が得られ、ボディメイク効果が現れます。

また、骨格筋の筋力が高まることで、身体を動かす力も高まります

 

筋肉の構成

骨格筋のなかは、「筋繊維」が束になっていて、「筋外膜」のなかにある「筋周膜」のなかに収まっています。

筋繊維のなかには「筋原線維」が束になっています。

筋原線維のなかには「アクチンフィラメント」と「ミオシンフィラメント」からなる「筋フィラメント」があります。

骨格筋の概略図

筋肥大のための「筋トレ」と「栄養」の基本 P12 骨格筋

筋肥大が起こるしくみ

筋力トレーニングを行うことで骨格筋に適切な負荷を与え、それにより傷ついた筋繊維に栄養と休養を与えることで元より少し太く成長します(超回復)。

これを繰り返すことで、骨格筋が肥大していきます。

この「少し太く成長する」という部分をもう少し詳しく解説します。

骨格筋に日常生活レベル以上の高い負荷がかかると、筋原線維のなかにあるアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが大きくなって量も増えます。

アクチンフィラメントとミオシンフィラメントが配列されているサルコメア筋節)の数が増えることで、1本1本の繊維の直径が太くなります。

その結果、筋の横断面積が増加することで「少し太く成長」しています。

サルコメア(筋節)の概略図

筋肥大のための「筋トレ」と「栄養」の基本 P12 サルコメア

筋肥大に欠かせない栄養素

筋肥大には、筋肉の材料となるタンパク質と、筋肉を動かすエネルギー源となる糖質が欠かせません。

タンパク質

筋肉のもとになる栄養素はタンパク質です。

タンパク質には、

  • 動物性タンパク質(肉、魚、卵、乳製品など)
  • 植物性タンパク質(大豆、小麦など)

があります。

動物性タンパク質は、植物性タンパク質よりタンパク質の吸収率が高いので、効率的に体内にタンパク質を供給することができます。

植物性タンパク質は、動物性タンパク質と比べ脂質が少ないので、体脂肪を増やしたくない場合に重宝します。

人間の体内に存在するタンパク質は20種類のアミノ酸からできていて、

  • 9種類の非必須アミノ酸(体内で合成することができる)
  • 11種類の必須アミノ酸(体内で合成することができないため食事から摂取する必要がある)

に分けられます。

必須アミノ酸のうち、ロイシンバリンイソロイシンの3種類のアミノ酸は「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」と呼ばれています。

主に肝臓で代謝される他のアミノ酸と違い、BCAAは主に骨格筋で代謝・利用されるため、骨格筋にとって重要なアミノ酸です

 

糖質(炭水化物)

炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質になります。

糖質は、筋力トレーニングなど高強度運動時に身体を動かすための主なエネルギー源となりますので、筋トレ前に補給しておく必要があります

糖質が不足した状態で高強度運動を行うと、筋肉が分解されてエネルギーとして利用されてしまうため、筋肉を減らさない為にも摂取が必要です

 

筋肥大に役立つホルモン

筋肥大には、各種ホルモンの働きもかかわっています。

テストステロン

男性ホルモンの一つで、主に精巣から分泌され、筋肉に適切な負荷をかけることで活動が増大し、タンパク質の合成を高め、分解を抑制することで同化を促進(筋肉量を増やす)します。

インスリン様成長因子(IGF-1)

肝臓から分泌されますが、筋力トレーニングを行うことで筋肉からも分泌されます。

負荷がかかった筋原線維のなかでタンパク質を合成することにより、筋力トレーニングで負荷をかけた筋肉のタンパク質同化を促進します。

※タンパク質同化=体内のアミノ酸を集めてタンパク質をつくる

成長ホルモン

脳下垂体前葉から分泌され、筋肉へのアミノ酸の取り込みとタンパク質の合成を促進します。

筋肥大に有効な刺激が筋肉にかかったときに成長ホルモンの分泌が上がることから、筋肥大に直接的な影響を与えると考えられてきました。

しかし最近では、テストステロンやインスリン様成長因子(IGF-1)ほど直接的には筋肥大に影響を及ぼしていないと考えられています。

まとめ

  • 筋肥大=筋肉のなかの繊維1本1本を成長させ太くすること。
  • 骨格筋は、筋繊維の束が集まって出来ている。筋繊維は筋原線維の束が集まって出来ており、そのなかには筋フィラメントがある。
  • 筋力トレーニングにより超回復を繰り返すことで筋肥大が起きる。
  • 筋肉の材料はタンパク質で、タンパク質は20種類のアミノ酸からできている。
  • 筋肉を動かすエネルギー源である糖質は、筋肉を減らさない為にも重要である。
  • 筋肥大にはテストステロンやインスリン様成長因子(IGF-1)などのホルモンが関わっている。
  • 成長ホルモンは現在では上記2つのホルモンほど直接的に筋肥大に影響を及ぼしていないと考えられている。

 

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