論文レイサマリーVol.1「90歳を超える超高齢者でも筋肉量は増えるのか?」

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こんにちは!株式会社肉体改造研究所 代表 パーソナルトレーナーの竹田大介です。

本日は、私が執筆した論文をトレーニングが専門ではない方にも分かりやすく簡潔に纏めた「論文レイサマリー」をご紹介したいと思います。

テーマは「90歳を超える超高齢者でも筋肉量は増えるのか?

シニア スクワット

今回ご紹介させて頂きます論文は、私 竹田が2018年にストレングス&コンディショニングジャーナルに投稿しましたパーソナルトレーニングの事例報告で「超高齢女性におけるパーソナルトレーニングが筋肉量に及ぼす影響についての一事例」というものです。

超高齢女性におけるパーソナルトレーニングが筋肉量に及ぼす影響についての一事例P1

問題提起

我が国日本は現在、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が21%を超えた超高齢社会に突入しています。

私がこの論文を書いていたときの最新のデータは総務省が2017年9月20日に公表した人工推計でしたが、この時点で高齢者の割合は27.5%、ちなみに現時点での最新データである2020年8月20日公表のデータでは28.6%となっています。

もちろん長生きは素晴らしいことですが、国民の「平均寿命」と、心身ともに健康で自立して活動し生活できる「健康寿命」とのギャップが男性で約9年、女性で約12年あり、このギャップを埋めることが我々フィットネス従事者の使命だと考えております。

高齢者の寝たきりを防止し自立した高齢者を増やすことは重要な課題です。

そこで我々がお役に立てるのが「筋力トレーニング」。

高齢者でも筋力トレーニングで骨格筋量を維持向上させ、運動機能を向上させることが可能であることが、多くの先行研究から明らかになっています。

この論文は、93歳超高齢女性クライアントの歩行能力向上を目的とした、筋肉量増加・筋力向上のためのパーソナルトレーニングの事例報告になります。

必要性

高齢者の寝たきりを防止し自立した高齢者を増やすことは重要な課題ですが、90歳を超える超高齢者の筋力トレーニング指導事例は少なく、パーソナルトレーニングの事例報告は皆無に等しい状況です。

今後、高齢化がより進んでいくことを考えると、我々トレーニング指導者が高齢者、超高齢者の指導にあたる機会は増えると思われます。その際に、現場からの事例報告がたくさんあれば、高齢者の筋力トレーニング指導の参考となる文献が増え、ご高齢の方の日常生活動作の向上に寄与し、高齢者の寝たきりを防止し自立した高齢者を増やすことに貢献できると考えられます。

そこで今回、93歳の日本人超高齢女性のパーソナルトレーニングを担当する機会に恵まれましたので、この事例を事例研究論文という形で報告致しました。

方法

どのようなエクササイズを行ったかといいますと、多くの先行研究をもとに、脚やお尻などの下肢を中心に、全身の大きな筋肉、多くの関節を同時に動かすエクササイズを中心に処方しました。

エクササイズの強度は、対象者の当日の体調に配慮しながら、出来る限り最大努力まで動作を反復してもらい、8回~12回の反復で最大努力に達することを目標に進め、セット数は1セット~3セットの間で行いました。

強度の調整方法は、実施場所が対象者のご自宅でしたので、バーベルなどウェイトトレーニング器具はなく、ダンベルはありましたが対象者の手の指に変形がみられ手にダンベルを持つことが難しかったため、私の手で抵抗をかける徒手抵抗や、両脚のエクササイズを片脚で行うようにしたり、エクササイズの可動域を広げたり、スクワットなどで最も深くしゃがんだボトムポジションで数秒間姿勢を保持するなどの方法で行いました。

スクワット③

結論

週1回約3ヶ月間のパーソナルトレーニングの結果、体重に変化はないものの、筋肉量が1.8kg増加し、脂肪量が2.0kg減り、体組成が改善されるという結果が出ました。

これは、日本人高齢者を対象とした、集団で週1回3ヶ月間の自体重での筋力トレーニングの成果を報告した先行研究のなかで最も筋肉量が増加した77歳男性被験者の2.1kg増加した事例を支持するものとなりました。

ですが、今回の測定機器は対象者宅でご用意頂いた、バイオインピーダンス法を用いた家庭用体組成測定器でした。バイオインピーダンス法とは、体に微弱な電流を流し、その際の電気の流れやすさを計測することで体組成を推定する方法です。

先行研究より、バイオインピーダンス法を用いた体組成測定では、体脂肪率は午前に高く午後に低くなる傾向があると報告されています。今回の事例では、私と対象者のスケジュールの関係で、初回と最終回の測定時間を合わせることが出来ませんでしたので、バイオインピーダンス法を用いた体組成測定における体脂肪率の日内変動が測定結果に影響を及ぼした可能性は否定できません。

便益

超高齢者であっても筋力トレーニングで下肢の筋肉量を増加して下肢筋力を向上させ、歩行能力を向上させることで、寝たきりを防止し、自立した高齢者の増加に役立つと考えられます。

ご高齢の方々に、人生の最後までご自身の脚で立って歩いて、自立した生活を送って頂くために、ぜひパーソナルトレーニングをおススメ致します!

 

最後に、この論文がNSCAジャパン 2018年度最優秀論文賞 森永最優秀事例報告賞を受賞致しました。今回の論文執筆にあたりお世話になりました皆様、誠にありがとうございました。

この論文はNSCAジャパン機関誌であるストレングス&コンディショニングジャーナル2018年7月号に掲載されていて、NSCAジャパン会員の方は会員マイページの機関紙バックナンバーから読むことが出来ます。

弊社ウェブサイト「論文」ページからも読むことが出来ますので、ご興味をお持ち頂いた方はぜひご一読頂ければと思います。

今回の論文レイサマリーを動画でも配信しております!

 

 

 

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