デスクワークなどの仕事のあとに肩こりになるのはなぜ?予防のための筋肉解説


肩こりは、多くの日本人が悩まされる不定愁訴です。

一般社団法人日本リカバリー協会が全国の20~69歳の男女10万人(男性5万人、女性5万人)を対象に2021年に実施した調査によると、実に72.5%(男性67.0%、女性78.1%)の方々が首筋・肩こりがあると回答しています。

特に、デスクワークなどの職種の方は肩こりになりやすいと思います。

そこで今回は、デスクワークのあとになぜ肩がこるのか?について解説してみたいと思います。

 

デスクワークのあとに肩がこる理由

以下で、なぜデスクワークのあとに肩がこるのかを見て行きましょう。

血流の悪化

デスクワークなど、長時間身体を動かさず、同じ姿勢をとり続ける仕事をしていると、肩がこる経験をした方は多いと思います。

長時間同じ姿勢でいると、筋肉の中では血流が悪くなります。

血液は心臓のポンプ作用によって動脈に送り出され、全身に運ばれ、酸素や栄養素などを運搬しています。

筋肉にもこのポンプ作用があり、身体を動かすために脳からの指令を受けた筋肉が収縮した際に、血管に圧がかかり血液の移動を促します。

同じ姿勢を長時間とると、筋肉のポンプ作用が働かず、血流が滞ってしまいます。

血流が悪くなると、酸素が不足して乳酸などがつくられます。

そうすると筋肉は硬くなり、コリやだるさを感じます。

疲れて硬くなった筋肉が近くを通る血管を圧迫して、血の巡りが悪くなります。

血の巡りが悪くなると、筋肉の中に発生した乳酸などが流れていかず筋肉の中に溜まってしまいます。

そうすると、筋肉に届く酸素の量も減り、さらに乳酸が作られ、筋肉が硬くなるという悪循環に陥り、ますますコリを感じる様になります。

このように、同じ姿勢を続けたり、特定の筋肉ばかり使い続けることがコリの原因の一つになると考えられます。

姿勢不良

長時間椅子に座ってパソコンを使うデスクワークでは、どうしても骨盤が後傾(腰が丸まった姿勢)して肩甲骨が外転(猫背の姿勢)し、頭の位置が胴体の真上ではなく前に来てしまいます。

頭は、体重の約10%の重さがあります。

胴体の真上に頭があればいいのですが、頭が前に位置した状態が長時間続くと、頭の位置を支えている僧帽筋という筋肉の上の部分(僧帽筋上部)に過剰な負担がかかり続けてしまいます。

そうすることで、僧帽筋上部が疲弊して、肩こりが発生してしまいます。

デスクワーク中に肩こりを防ぐためのエクササイズ

デスクワーク中に肩こりが起こらないようにするには、同じ姿勢を取り続けないことです。

定期的に肩を回したり首を回したりして、肩回りの血流が滞らないようにしましょう。

また、固まってしまった筋肉をストレッチで軟らかくしましょう。

以前、夕刊フジの「THE情報源」というコーナーで「在宅勤務の首こり肩こり解消 血行促進 生産性UP!!」のタイトルで肩こり対策エクササイズをご紹介しましたので、ご覧ください。

  1. まず、筋肉を急に伸ばすと筋肉にダメージを与えるリスクがありますので、ウォーミングアップとして、上記AとBのように、肩をすくめて落とす運動で、僧帽筋上部の筋肉に血液を流して筋肉を温めましょう。
  2. 続いて、上記Cのように、肩を後ろから前に、前から後ろに回して、肩回りの筋肉の血流を促し、筋肉を温めます。
  3. 肩の筋肉(僧帽筋上部)が温まったら、上記Dのように、姿勢を正し、胴体の真上に頭がある状態にして、僧帽筋上部のストレッチに入ります。このまま頭を片方の手で真横に引っ張ると、伸ばしたい側の肩が上がってしまい、ストレッチが効かなくなってしまいますので、引っ張る手と逆の腕(伸ばしたい肩側の腕)を背中に回して肩の位置を固定し、頭を横に軽く引っ張ります。
  4. 10秒キープしたら、上記Eのように、少し斜め前に引っ張る角度を変えて10秒キープ、さらにもう少し前に引っ張る角度を変えて10秒キープ、計30秒間ストレッチします。反対側も同様に行います。

デスクワークが多いお仕事をされている皆様、ぜひこの記事を参考にして、お仕事中にも定期的に身体を動かし、ストレッチをして、肩こりを改善してください!

上記エクササイズを取り入れても肩こりが改善しない方は、デスクワークの影響で日頃から姿勢が崩れ、僧帽筋上部に余計な負担がかかり続けているのかも知れません。

そのような方は、ぜひパーソナルトレーニングで姿勢を改善し、肩こりを根本から解決しましょう!

パーソナルトレーニングの肉体改造研究所(ゴールドジム東陽町スーパーセンター・イースト東京(江東区南砂町)・渋谷東京、オンライン、自宅出張)

参考文献

宮川豊美,高橋亜矢子(2000)女子学生にみられる不定愁訴について.和洋女子大学紀要. 家政系編 40, 117-126.
鈴木孝,大塚平八郎(1976)姿勢についての研究ー肩こりとの関連についてー.日本体育学会大会号 27, 557.
上原健志(2010)肩こりがスッキリ治る本.中経出版.

 

 

 


活動拠点

ゴールドジム渋谷東京、イースト東京(江東区南砂)、東陽町スーパーセンター

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