お尻に効かせるスクワットではどの程度の重量で行うべきか?
こんにちは!株式会社肉体改造研究所 代表の竹田大介です。
本日は、スクワットで股関節伸展筋群(お尻・腿裏)に効かせるためには、どの程度の重量で行うべきか?について、過去に学術論文をレビューした記事をご紹介したいと思います。
スクワットで股関節伸展の要である大臀筋を鍛えたい!というアスリートや、美尻を作りたい!という筋トレ女子のみなさんにお役立て頂ければと思います!(^^)!
スクワットの挙上重量変化でトレーニング効果はどう変わるか?
今回は「キング・オブ・エクササイズ」ともいわれるスクワットについて、担ぐ重量でトレーニング効果がどう変わるかを知るために「スクワットの挙上重量変化が股関節と膝関節まわりの筋の活動および関節トルクに与える影響」という学術論文を簡単にレビューしてみます。
この研究では、普段からスクワットをトレーニングに取り入れている男子8名を被験者として、パラレルスクワット(スタンス幅:肩幅の140%)を試技に用いて、挙上局面のみを分析局面としています。
試技は1回、挙上重量は1RM(最大挙上重量)の90%、75%、60%の3試技を比較しています。結果
A.キネマティクスデータ
平均挙上時間
90%が75%・60%に比べてに有意に長く、挙上重量の増大にともない挙上時間も長くなる
※下肢三関節の関節角度は有意差なしB.EMG(筋電図)データ
・脊柱起立筋・大腿二頭筋
90%が60%に比べて有意に高い
・大殿筋
90%が75%・60%に比べて有意に高い
・中殿筋、大腿直筋、内転筋、外側広筋、腓腹筋では試技間に有意差なしC.キネティクスデータ
各関節伸展トルク
・股関節
90%が75%・60%に比べて有意に高い
・膝関節
90%が60%に比べて有意に高い
・足関節
有意差なし各関節平均仕事量
・股関節
90%が75%・60%に比べて有意に高い
下肢の総仕事量に対する股関節仕事量の割合は、90%が60%に比べて有意に高い
※膝・足関節では有意差なしまとめ
この研究ではスクワットの挙上局面のみを分析局面としているため、下降局面の結果が分からないのが残念なところですが、以下のことが明らかになりました。
この研究の結果から、スクワットで担ぐ重量が重い(90%)方が挙上に時間がかかり、脊柱起立筋・大腿二頭筋・大殿筋の筋活動量が大きく、股関節・膝関節伸展トルクが増大し、下肢三関節では股関節の貢献が大きくなることが分かりました。トレーニングへの応用
スクワットを実施する人が、日ごろからスクワットをトレーニングに取り入れているのであれば、この研究結果をトレーニングに応用することができるでしょう。
スクワットで脊柱起立筋(背中の姿勢保持や上体を起こす筋肉)や股関節伸展筋群(お尻・腿裏の筋肉)をしっかり鍛えたい場合は、90%1RM程度の高重量を用いて実施するとよいでしょう!
※スクワットのやり方についてはこちらをご覧ください!自宅でできる!自主トレ用エクササイズ動画 スクワット(木村里穂子パーソナルトレーナー)
参考文献
真鍋芳明・横澤俊治・尾縣貢(2003)スクワットの拳上重量変化が股関節と膝関節まわりの筋の活動および関節トルクに与える影響.体力科学.52:89‐98.
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執筆者:竹田大介
熊本県合志市出身。
ゴールドジム公認パーソナルトレーナーとして、ゴールドジム東陽町スーパーセンター・イースト東京(江東区南砂)・渋谷東京の3店舗で活動中。
大学院でのトレーニング科学における学術研究で得られた科学的知見を活かし、お客様の個性や目的に合わせて目標達成を効率的に導くオーダーメイドなエクササイズプログラムを立案し、楽しくトレーニングできるようサポートさせて頂いております。
株式会社肉体改造研究所 代表取締役
日本大学大学院文学研究科教育学専攻体育学コース 博士前期課程 修了
NSCAジャパン 最優秀論文賞2018 森永最優秀事例報告賞 受賞
NSCAジャパン 最優秀指導者賞 パーソナルトレーナー・オブ・ザ・イヤー2021 受賞